ウォルナット板目厚突きのツキ板をコニシボンドCH7でMDFに貼り付ける実際の作業工程をご紹介します。
ツキ板の貼り方と合わせてご覧ください。
突き板を貼り付ける基材よりも大き目の突き板を用意し、突き板を貼るための道具を準備します。
ツキ板を貼り付ける対象(基材)はMDF、裏打ちなしの突き板、接着剤はコニシボンドCH7を使用しています。
・MDFの小片(基材)
・ウォルナット板目厚突きのツキ板(ツキ板のみ)
(基材よりも大きいサイズのツキ板)
・コニシボンドCH7(接着剤)
・トレイ(接着剤小分け用)
・ヘラ(接着剤塗布用、波型ヘラ)
・マスキングテープ
・霧吹き(中身は水です)
・アイロン(家庭用)
・当て布(綿の手ぬぐい)
・サンドペーパー240番(保持用の木片)
・凹凸の少ないダンボール
(ツキ板よりも大きいサイズ2枚〜3枚)
など
MDFで凹凸も特にありませんでしたので、表面を軽く布巾で拭いただけでそのまま使用しています。
合板や木材の場合はサンドペーパー240番の仕上がりを目安に研磨して平滑にします。
基材の凹凸は貼り付け後にも残りますので、もしも凹みが目立つ場合はパテや埋木などで対処します。
接着不良を予防するため、研磨後の粉塵は丁寧に除去する必要があります。
ツキ板に生じている巻き癖や歪みを緩和するため、ツキ板両面を霧吹きで湿らせて柔らかくします (和紙貼りのツキ板の場合も同様です。)。 湿らせると柔らかくなりますので巻き癖や歪みが一時的に大きくなりますが、心配ありません。
湿らせたツキ板をダンボールで挟み、テーブルなど水平な場所で上から雑誌などの重りを置いて数分放置すると、 巻き癖や歪みがほとんど無くなり、余分な水分もダンボールに吸水されて貼りやすい状態になります。
基材のどの位置にどんな向きで貼り付けるのかを確認します。 ツキ板の巻き癖や歪みは先の工程で抑えてありますので位置合わせしやすくなっています。 ツキ板が大きすぎる場合や木目の向きを調整する場合はマスキングテープでおおよその位置決めをした後ハサミやカッターナイフなどでカットします。 マスキングテープはカットする際の割れ防止の役割も担いますが、剥がす際にツキ板の繊維まで巻き込むものもありますので、マスキングテープは貼り付け部分にかからないよう注意が必要です。
コニシボンドCH7を適量トレイに移し、ヘラを使って基材とツキ板の両方に接着剤を塗ります。 ムラなく塗布することが非常に重要ですので、このとき使用するヘラは先端が波打っている波型ヘラがお勧めです。
接着剤を塗布する順番は、基材を先に、次にツキ板へと塗ります。 ツキ板に裏打ちがない場合はどちらの面に塗布しても大丈夫です。和紙貼りがしてあるものは、和紙を剥がさず和紙側に接着剤を塗ります。
塗り終わりましたら接着剤が乾くのを待ちます。
どちらも良好な材面ですので完全に乾くまで待っても良いのですが、今回は半乾きの状態(基材8〜9割、ツキ板5割〜6割)で次の貼り付け工程に入ります。
半乾きで貼る場合は接着剤の塗り終わり時からアイロンを温め始めるとタイミングを計りやすいです。
完全に乾くのを待つ場合は貼る直前にアイロンを温めても大丈夫です。
基材とツキ板の貼る位置に注意して双方を重ね合せます。 半乾きの場合、一度重ねると剥がせませんので注意して下さい。
ツキ板側に手ぬぐいなどの当て布をあて、貼り付ける面全体をアイロンで強めに押さえて加熱して貼っていきます。 しっかり加熱しなければ接着しませんが、加熱し過ぎると焦げ付きますので注意が必要です。 気泡が生じてツキ板が接着していない部分があるようでしたら、針などを刺して空気抜きを行って基材とツキ板を密着させ、アイロンで再度加熱します。
アイロンでの加熱が終わりましたら粗熱が取れるまで静置しておきます。
霧吹きなどで湿らせた水分や接着剤に含まれる水分もこの間に蒸発して引き締まります。
数十分程度で常温に戻りますが、加工や切削、研磨を行うのは半日〜1日以上経過してから行うと良いです。
基材とツキ板がしっかりと接着している事を確認したら、余分なツキ板をカッターナイフ等の刃物で落とします。 ツキ板や基材の状態にもよりますが木材などに巻いたサンドペーパーで角をこするようにして落とすことも出来ます。
基材からはみ出た部分を全て落とすと完成です。
曲面への貼り付け例をブログサイト作品ひろば(外部リンク)に掲載しています。